研究背景
近年、車載器・CANから取得可能なプローブカー情報や、スマートフォンや各種計測機器のセンサーから取得可能なヒューマンプローブ情報など、人々の移動や状態を把握するためのセンシング情報の取得が容易になってきています。それらの情報は、ダイナミックに変化する人やモノの行動状況・周辺環境をリアルタイムに把握できるだけでなく、有用な情報を抽出し、適切に加工・蓄積することで、都市生活や交通、エネルギー、環境などの諸問題を解決し、人々の暮らしをより豊かにする可能性があります。例えば、GPS等で得られたプローブデータを収集・分析することにより、移動ルートや移動パターンを把握する事ができ、渋滞情報生成や旅行時間予測などの交通流分析、観光回遊行動、マーケティング戦略、災害時の避難行動分析、感染伝播シミュレーションなどにおいて、重要な基盤データとなります。一方で、プローブデータは、種類によってフォーマットが異なり、データ量が非常に多い上に、観測機器や周辺環境により、精度誤差が非常に大きくなるなどの欠点があります。そのため、これらのセンシング情報に対し、高度な情報処理技術や行動理論に基づいた処理を施し、社会全体の共有資産として再利用可能な価値の高いデータを構築する必要があります.
研究目的
私の研究では、様々なセンサーから得られる多種多様かつ膨大なデータ群から有用な情報を抽出・加工し、適切に蓄積・分析することで、社会共有資産としての新しい価値を創出することを目的としています。
研究内容
- プローブ情報を活用した交通情報の生成と情報提供効果の分析
- スマートフォンを活用したセンシングデータの社会的価値の創出
- 地理空間情報を活用した都市圏における人々の流れの解析
- ICTを活用した観光行動の把握と分析