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本研究の目的は,近い将来の実用化が期待される完全自動運転技術を活用した,
電気自動車による自動車共同利用システムの可能性を把握することである.
具体的には以下の3 つを明らかにする.

 
(1) 完全自動運転車を用いた場合の自動車共同利用システムの運用方法
完全自動運転技術を活用することにより,利用者の出発地への迎車および目的地での乗り捨てを可能とし,異なるOD 交通需要を限られた台数の共同利用車両で運用する際の最適運用戦略を見出す.
 
(2) 共同利用システムの電気自動車から電力系統への電力供給によるピークシフト効果
都市全体の電力需要に応じた適切なタイミングで共同利用システムの多数の電気自動車か
ら電力供給することにより可能となるピークカット量を予測するとともに,車両への充電タイミングと利用タイミングを含めた共同利用システムとしての運用とのバランス最適化手法を確立する.
 
(3) 自動車共同利用システムの利用意向および自家用車の提供意向
完全自動運転による自動車共同利用システムが実現した場合に人々のトリップはどのよう
に変化するのか,自家用車やタクシー,バスからの転換や追加的なトリップ発生の有無も含
めた人々のシステム利用意向を把握するとともに,完全自動運転車を自家用車として保有した場合に,自らが自家用車を利用しない時間帯に共同利用車両として提供する意思の有無とその条件について分析し,共同利用システムの車両構成に関する知見を得る.