御挨拶

中部支部長 野嶋  慎二 

 公益社団法人日本都市計画学会は、都市計画及び地方計画に関する科学技術の研究発展を図るため1951年に設立され、またその最初の支部として中部支部が1990年11月に設立されました。中部支部は富山・石川・福井の北陸3県と岐阜・静岡・愛知・三重の東海4県の都市計画学会員約400名から成り、本地域における都市計画に関する学術の進歩普及と都市計画の進展、及び都市計画に係る専門家の資質の向上を図る活動を行っています。

 今や本格的な人口減少社会を迎えた日本ですが、地方から都市への若年層を中心とする流出超過の継続により人口の地域的な偏在は加速しています。「地方消滅」というショッキングな未来推計が様々な論議を喚起させています。地方での対応の必要性から、日本政府は、個性ある地方の創生を進めることを重点政策に取り上げています。都市政策においては、都市機能の集約等を進める都市のコンパクト化と、公共交通網の再構築を始めとするネットワークの構築による「コンパクトシティ」の形成を目指すことが目標となってきました。しかし、全国一律での都市政策はもはや困難であり、地方ごとの課題と目標を整理していかなければなりません。たとえば、空地空き家の増加、巨大災害の切迫、インフラや公共施設の老朽化など、その内容は多岐にわたります。
 現在の都市計画法が1968年に制定されてから約50年が経ちました。また、最初の都市計画法が1919年に制定されてからは約100年の年月が経過しています。その間、都市計画の役割も変化しつつあり、住民参加やソフト対応も含めた「まちづくり」として進めていく時代となっています。よって関係者も、行政、実務家、研究者の枠を超えて、住民、NPO、学生等の多様な主体へと広がっています。今後の都市計画・まちづくりはそれら主体間の相互作用により進めていく必要があります。

 公益社団法人日本都市計画学会は協働のまちづくりを進展させるための一翼を担い、また中部支部の多くの会員も既に地域の課題に対して主体的に活動を進めています。中部支部では行政や民間と連携した研究活動はもとより、公開講演会、見学会、支部研究発表会、シンポジウム、国際交流講演会等の様々な支部活動を行い、それを会員のみならず地域社会に提供していきます。地域社会に開かれた支部活動の推進を期した上で、会員の皆様方の御協力と御指導御鞭撻をお願い申し上げます。